総合情報学科 心理・スポーツ情報専攻

AIとデータサイエンスで拓く、心理学×スポーツ科学。

総合情報学部で取り組むのは、AIやデータサイエンスを活用して「心豊かな生活」「心身の健やかさ」「安全・安心・快適な社会」の達成を目指す、文理融合の学び。心理・スポーツ情報専攻では特に「心身の健やかさ」の達成に向け、心理職や、ユーザーリサーチャー、スポーツトレーナー、スポーツアナリスト、データサイエンティストなど、心理・福祉・スポーツ・データ分析に関わる領域で活躍する人に必要な専門的知識とスキルを修得します。

学問の魅力

心理学とスポーツ科学を加速する、AIとデータサイエンス

文理融合の考え方が、心理学とスポーツ科学、そしてそれらに活用できるAIとデータサイエンスの学びを可能にしています。自分自身の興味関心に合わせて、各テーマを専門的に学ぶことも、複合的に学ぶことできます。
心理学やスポーツ科学は、データサイエンスを活用して大量の情報を収集・処理したり、AIによる分析で新たな視点を獲得したりなど、先端的な技術との親和性が高い分野のひとつです。本専攻では人の心(心理)や身体、スポーツについて客観的なデータを収集・分析・活用し、人々の心と身体の健康を支援するための専門知識を獲得します。学内のアスリートの協力を得て、リアルなデータを基に学習できるという点も大きなアドバンテージです。

学び方

2つの分野で、データの可能性を体感する

心理分野・スポーツ科学分野について学ぶとともに、膨大なデータを科学的に分析するデータサイエンスやAIについて理解を深め、専門的知識を社会において広く活用する力を養います。
「心理情報領域・スポーツ情報領域の両方を学ぶ」「心理情報領域のみを学ぶ」「スポーツ情報領域のみを学ぶ」あるいは「データサイエンス領域を学ぶ」という学びの選択が可能です。またスポーツ情報領域を学ぶ場合も自分自身がアスリートである必要はなく「選手を支えるスポーツ科学とデータサイエンスについて専門的に学んでいく」ということも、もちろん可能です。

心理学領域の学び

心理学の分野では、人間の心について客観性のある情報(データ)を獲得し、適切な分析・評価によって研究に用いることが必要です。本専攻では臨床心理学や実験心理学、応用心理学(行動心理学、色彩心理学、犯罪心理学など)といった幅広い心理学領域の学びとあわせて、心理・行動に関わるデータの測定と解析、解釈といったプロセスでのデータサイエンス活用手法を学習・研究します。

スポーツ科学領域の学び

スポーツの世界でも、さまざまにデータの収集・分析・活用が進んでいます。
アスリートの科学的トレーニングや試合におけるパフォーマンスの分析、戦略・戦術の立案への活用などのほか、より日常的なフィットネス、ヘルスケアを支えるツールとしてもデータサイエンスが用いられています。
本専攻では、解剖学・生理学をベースとしたスポーツ科学分野の学びや、専門家の指導のもとで体力・筋力トレーニングを実践する実技授業を行うなどスポーツ分野の専門知識を獲得するとともに、急速に発展するデータサイエンスの活用方法について学びます。

知識とデータの活用を実践する

客観的なデータを用いた選手のパフォーマンス分析や向上、競技生活の充実などを見据えた、実践的な研究活動に取り組むことができます。本学体育会との連携による実践が可能で、学生アスリートのデータを活用した学びを通して先端的・実践的なスポーツ科学、心理学、データ解析技術の応用可能性について考える機会が充実しています。

グローバル化への対応

日常的な国際交流から、長期海外留学の支援制度まで

海外から留学するアスリートが在籍する本専攻では、ともに学ぶ日常そのものが国際交流の場となります。
さらに1年次から4年次まで継続的に英語が学べる科目をはじめ、海外の異文化を知るための科目、英語のみで行われる授業などを通して、グローバルな素養を培います。
本学部が独自に設置する「総合情報学部SGUルーム」では外国語学習のサポートや学習・留学相談など多岐にわたる支援を行います。英語だけでなく、中国語学習講座を定期的に開催するなど、多彩な外国語学習を展開。海外からの留学生と日本人学生が交流する場ともなっています。
また短期の海外インターンシップや海外研修も充実しており、長期海外留学をする場合も、留学期間中の成績(単位取得状況)を反映して4年間で卒業できるよう配慮されています。

4年間の学び

心理学、スポーツ科学、AI、データサイエンスの基礎から学べる

1、2年次は心理学とスポーツ科学の基礎を学びます。またプログラミングの基礎や情報リテラシー、AI、データサイエンスなどを演習科目で実践し、データサイエンス活用の基盤となる知識を身につけます。
3年次以降は、それぞれの興味・関心に応じて心理学、スポーツ科学、データサイエンス領域を組み合わせて学びを深め、研究を行うための知識・能力を獲得し、卒業研究と論文の執筆につなげます。
心理分野の実習科目では心理関係の施設を訪問し心理的援助の実際に触れるほか、社会調査関係の実習ではインタビューやアンケートなどによる実際の調査を行います。

オンライン、オンデマンド授業を積極的に活用

週1日は全科目をオンデマンドで行うなど、教室以外の場所でも学びやすい、フレキシブルな学びの環境を整備。心理系の実習には欠かせない学外での調査やアスリートへのインタビュー活動、スポーツ科学分野と関連の深い学外活動、関連する資格取得に伴う研修など、学外での実践的・主体的な活動を応援しています。

それぞれの学び方で、各領域をつなげて深める

一人ひとりの興味関心に応じて各領域の学びをつなげ、深めていくことができます。心理情報領域、スポーツ情報領域についての学びに加え、データサイエンス領域に特化した学びも可能です。

心理情報領域

心理を中心にカウンセリングや心理実験に加えて、ITカウンセリング・メンタルトレーニングなど、ITを駆使した心理とITの融合領域を学ぶ。

スポーツと心理学領域

パーソナルトレーナーや認定心理士等に求められる能力を身につけ、それらに関する資格の取得に繋げることを目標とする。

スポーツ情報領域

シミュレーションやAIなどのITを用いて、運動する身体やゲーム中のプレイヤーの動きを測定・解析し、科学的に理解・説明する能力を養う。

データサイエンス領域

社会調査データ、心理・身体データに対して機械学習・統計解析を行うことで、ヒトの心理や行動を解析し、科学的に説明する能力を養う。

卒業論文のテーマ例

  • 飲食店の店員の表情が顧客に与える影響
  • Impact of video assistant referees
  • コロナウイルスの影響による生活習慣、健康意識の変化について
  • 野球選手におけるメンタルトレーニングの効果の検証
  • 大学生アスリートにおける心理的競技能力とマインドフルネスの関係性
  • 学生アスリートにおけるトレーニングウェアの購買要因について
  • VRにおける実写とCGの差異

(2020年度卒業研究・制作のテーマより)

資格取得支援

学修の成果を確認し客観的な評価を得るとともに、卒業後の希望する進路に生かすため、関連する資格の取得を支援しています。心理・スポーツ情報専攻においては、特に以下の資格を目指すことができます。

心理系

規定の科目の単位取得をすることで認定される「社会調査士」「認定心理土」、学部卒業後に大学院に進学し、規定の科目の単位取得をすることで認定される「専門社会調査士」「スポーツメンタルトレーニング指導士」に対応したカリキュラムとしています。

スポーツ系

規定の科目の単位取得をすることで、試験の一部が免除になるCSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)に対応しています。またスポーツ系資格として国際的なトレーニング指導のライセンスである「NSCA認定資格」NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)の取得に対応したカリキュラムを開講しています。

心理・スポーツ

アスリートのメンタル面を支援する「スポーツメンタルトレーニング指導士」を目指す学生向けに、メンタルトレーニングの理論と実践に関わる授業が開講されています。授業では、集中力やモチベーションの向上、リラクセーションの獲得など、心理的パフォーマンスを高めるための実践的な技法を身につけることができます。

学びの取り組み

文理融合の多様性と高い専門性

総合情報学科のカリキュラムの特徴は、文理融合による学びの多様さと、各分野の高度な研究にも発展する専門性の高さにあります。文系志向の学生もデータサイエンスやAIを中心とした理系分野への関心を広げることができ、興味・関心に関連する分野・テーマについて基礎から応用、実践へとつなげて専門性を高めることができます。
さらに各学問分野での学びは、大学での成果をまとめる卒業研究・論文から、より高度な大学院での研究にまで発展させることが可能です。

スポーツ×データサイエンス

スポーツの世界でも、さまざまにデータサイエンスが活用されています。たとえば「スポーツアナリスト」は、選手の動作やボールの動き、戦術(人の配置等)のデータをもとに、最適な動作、戦術を導き出します。こうした取り組みにはAIの活用も進んでいます。
また本専攻ではトレーニングメニューを提案するCSCS(認定ストレングス&コンディショニングススペシャリスト)になるためのカリキュラムも提供しています。

DEIの推進

「Diversity(多様性)」「Equity(公平性)」「Inclusion(包括性)」を重視しています。国籍、年齢、性別、障がいの有無にかかわらず、文系・理系のどちらからも広く学生を受け入れると同時に、多様な立場の学生がそれぞれ必要とするサポートを積極的に行っていきます。

教員による、ていねいな支援

専門分野を究めるには、適切なガイドが必要です。各分野での実績と経験をもつ教員が、一人ひとりに適確でていねいな支援を行うところも総合情報学科の特長です。授業以外の時間にも、目標設定から達成までしっかりサポート。多様な関心とそれに応じた学びを実現するため、それぞれの特性や目標に沿った指導・支援を行っています。

心理実習・調査実習の豊富な機会

心理実習や調査実習は学外で実施し、実践的かつ活動的な学びを提供します。現地の様子を肌で知り、現場で手に入れた貴重なデータを、データサイエンスやAIの技術を使って解析し、データが語りかける真実に迫っていきます。

特徴的な科目

スポーツ情報処理

⾼度な情報取得技術と、情報処理技術を学ぶ。例として、1秒間に5000コマの画像を撮影することができる⾼速度カメラを応⽤して、スポーツの様々なシーンにおける動作を理解するために用いる。また、スポーツに関するコンピュータシミュレーションの⼿法を学び、その利⽤法を理解する。さらに、実際のスポーツの現場で計測される様々なデータを分析する技術を⾝につける。

心理学統計法

官庁統計や、簡単な調査報告・フィールドワークについての論⽂を理解するための、基礎的な知識を⾝につける。データやグラフの読み⽅と計算、作成の方法を学び、平均や分散などの記述統計データ、あるいは質的データの読み取り⽅とまとめ⽅について学ぶ。また相関係数など基本的な統計的概念について学び、適切なデータ間の関連性と因果関係の推測、相関関係の区別の仕⽅を理解する。